昨年から投資信託をはじめていていい感じの感触を得たので、今年はは株式投資を直接やってみても良いかななんて思っていました。でもほとんど知識もない状態で手を出すのもやばいと思ったのでいい感じの本を探していたところ、「臆病者のための株入門」というまさに自分にうってつけな感じの本を見つけたので読んでみました。
- 作者: 橘 玲
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: Kindle版
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株式投資はギャンブルである(衝撃
まずパラパラと読んでみていきなり突きつけられるのがこれです。
株式投資はギャンブルである。
でもそれは、たんなる賭け事ではない。素人でも大きな果実を手にすることができる、世界で最も魅力的なギャンブルなのだ。
P.22 第1章 株で100万円が100億円になるのはなぜか?
薄々気づいていたけどやはりそうだったのか。
著者はそのあと複利とレバレッジの話を続け、先物投資にまで話は進んでいきます。先物投資でうまいことやれば100万円を5年で100億円に増やすことは可能だと解説します。読んでいくうちに夢は広がっていきましたが、著者自身もうまいことやる方法を考えついたものの(妄想にとりつかれたと書いてあった)精神的・肉体的限界に達してしまい断念したらしいです。
著者は失うものがない者がリスクを取ることが可能で、家庭や仕事など失う者が多い人は圧倒的に不利だと続けます。株式投資は大きくリスクをとれる人が大儲けできる可能性はあるが、普通の人(家庭を持っていたり普通に仕事がある失う者がある人)は大儲けできる可能性は低いそうな。
第1章でこれだからだいぶ目が覚めてきます。やはり株式投資で一攫千金は考えないほうが良さそう。
結局どう投資すれば良いか
第2章ではホリエモンが当時どうやって制度の歪みを見つけそれで儲けていったかの解説、第3章ではデイトレードというものについて解説していました。デイトレードはライフスタイルといいきったところがおもしろかったです。
そのあと第4章で株式投資というゲームの解説、第5章で株で富を作る方法を解説していきます。第2章から第5章までで株式投資というものの種類とそれでどうやって儲けていくかが仕組みとともに学んでいけます。ここまで読むと株式投資についてわかってくるけど実態は難しく、ウォーレンバフェットのように財務諸表から企業価値を見いだして投資しないと儲けることは難しいのだなと思わされます。
そこで第6章です。ここでは科学的に正しい投資法がついに明かされます。
インデックスファンドに投資しなさい。
P.142 科学的にもっとも正しい投資法
なんと。これだけのことだったとは。第6章ではその根拠が書かれていきます。行き着く先がインデックスファンドへの投資となると割と個人的にはずっこけます。なぜなら自分が投資信託で投資していたのがインデックスファンドだったから。株式投資で少しでも資産を増やしたいと思い読んだ本で、自分が今までやってきた投資法が良いと裏付けされるとは思わなかった。やはり個別の株式投資は財務諸表とかがちゃんと読める人が専門的にやるべきで、普通の人はインデックスファンドで堅実にやっていくのが正解なのだなと思わされました。
著者は最後にド素人のための投資法を第8章でまとめます。最大の資産は自分であるということ、やるならインデックスファンドで国際分散投資が科学的に正しいと言うことなどが挙げられました。
自分への投資とインデックスファンドへの投資
以上ざーっと読んでいってので自分なりの感想を書いてみます。
まずこの本を読んで株式投資はギャンブルだと言うことがはっきりとわかりました。その上でちゃんとかとうと思うのであれば、ちゃんと財務諸表を読んで企業の価値があると判断できるのであればその会社に投資していくと。だがそれよりも前にちゃんと自分で働いてお金を稼いで、自分へ投資して自分の資産価値を上げるのが大事。その上でインデックスファンドで堅実に資産を築いていくのが妥当だと思いました。そして余裕があれば他の投資にも手を出してみるというのが普通の人の投資法としては最適なのではないかと。
ホリエモンの例やデイトレーダーの生態についても知ることができ、株式取引について普通の人が知るべきことが十分に書かれていたように思えます。本自体の発行は2006年ですが、今でも通用する知識だと思いました。多くの人にお勧めできる株式投資の入門書だと思えます。
とりあえず自分にとっては投資信託で軽く調子に乗ったところにいいブレーキとして作用したように思えます。これからも堅実にやっていこうと思いました。