MCU全部見る Advent Calendar 2021 の5日目です。
今回はキャプテン・アメリカを見ました。
勝利のために国債を売るヒーロー
冒頭ナチの将校がコズミックキューブを得るためにノルウェーのトンスベルグを襲う。前作のマイティ・ソーの最初にトンスベルグで巨人とアスガルドの戦士が闘っていたのでそのとき残された遺物の模様(マイティ・ソーでその描写はなかったような?あったとしたら見落としている)。あまりこのあたりの情報はなく映画は進むけど、コズミックキューブが絶大なエネルギーを持っていることは劇中で分かる。
舞台変わってアメリカで後にキャプテン・アメリカになるスティーブ・ロジャーズが徴兵検査で落とされる。このスティーブ・ロジャースが本当に小さくて痩せていて、スーパーソルジャー計画による血清の投与とベータ線の照射で筋肉もりもりになるのが凄いというかどうやって撮影したのかとても不思議。まぁ様々な合成手段があるんだろうけどすごい。
そんな筋肉もりもりマッチョマンになっても最初の仕事が戦時国債を買って貰うためのツアーなのが悲しい。父親達の星条旗でも戦債キャンペーンは見たけど、戦時中のアメリカの資金繰りってほんと大変だったのね。2つの映画で似たテーマが描かれるってことはそういうことなのかなと思わされる。
ところで今回のスーパーソルジャー計画にはスタークインダストリーも関わっていて、トニー・スタークの父親のハワード・スタークが協力しているんですが、これがよくトニー・スタークに似ていておもしろい。顔も似ているし性格も似ている。顔を見た瞬間これはトニーの父親だとわかるのはけっこう凄いのでは?まぁスタークって名字を聞いた後だから先入観もあると思うけど。でもアイアンマン2でもハワードは出てきたけど、これは全然似てないしちょっと真面目な感じが強かった。
今回の敵のヒドラはキューブの力でビーム砲を装備していたり、どう考えても1940年代の技術とは思えない装備を持っていてさすがドイツの技術力は世界一といった感じ。でもこんなオーバーテクノロジーを持ってしてもキャプテン・アメリカの膂力でねじ伏せられていくのもまさにアメリカ的な力こそパワーといった感じ。わかりやすくておもしろい。
最初は冴えないキャラだし、力を得てもやることが戦債キャンペーンの広告塔だったりするけど、後半の実際に戦場に立つあたりから力を発揮し始めて、独自のチームを持ったりしていくのが楽しい。徐々に確立されていく盾を使った闘い方もこれぞキャプテン・アメリカという感じでおもしろい。
銃も使うけど基本的には盾を投げたり盾で殴ったりと近代的なほど遠いスタイルのキャプテン・アメリカはヒーローの中でも異質だな思ったりする。超人的な能力を身につけても人間が生身で闘ってるわけで、スーツを着たトニーや怪物になったバナー博士や、神的な力のソーとはだいぶちがう印象。今後ヒーローが増えていく中で彼の存在感はどう保たれるのか楽しみ。
MCUの歴史の中では一番古い話だからかシールド関連のエージェントはほとんど出てこないので疑問符が出てくる場面は最初のコズミックキューブを得るところぐらいだった。伏線を別の映画で回収するのは続き物だから仕方ないけどやっぱり気になる。きっとこれから先のMCU作品でも気になり続けるんだろうな。