最近ちょっとTwitterを賑わした「娘の友達」を読みました。人によって意見は違うと思いますが、個人的にこの漫画はおもしろいと思いました。この二人の危うい関係が一体どうなってしまうのか見届けたいという思いでいっぱいです。
- 作者: 萩原あさ美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: コミック
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ざっくりと概要を説明すると、妻を亡くした主人公「晃介」が仕事や娘の引きこもりなどの困難に出会い閉塞していたところに、娘の友達である「古都」と出会い微妙な関係を持つことになる。古都の行動は時として晃介を動揺させるが晃介は徐々に古都に内心を打ち明け癒やされていく。今のところ微妙な関係は破滅を迎えずに続いていくが徐々にそのほころびが見え始めている、という感じです。
ネタバレをできるだけ回避しつつそれぞれの巻がどうだったかを書いていきます。
1巻は晃介が古都に翻弄されていき、徐々に古都に内心を打ち明けていくところなどは悪い見方をすれば古都の手玉にとられているのでは?と思わされることが多かったです。古都の言葉は疲れた中年サラリーマンにとっては甘い言葉が多く「よく頑張りましたね」「疲れませんか?」「自分に素直になるのってそんなに駄目なんでしょうか」「おいで」などかなり惑わされます。1巻では晃介が古都に翻弄されていく様が中心に描かれていました。
2巻では古都のおかげか晃介の閉塞していた環境に光が差し明るさが見え始めます。古都のほうも家庭の閉塞した環境が描かれどこに問題を抱えているのかが分かってきます。そんな二人の微妙な関係も徐々に徐々に濃くなり、この巻の最後のほうでは微妙な関係がピークに達し晃介にある種の決断をさせることになります。決断に至るまでに古都が誘導していっている雰囲気を感じるので古都の悪女感がより一層感じられる巻でありました。
ざっと読み終えて晃介と古都はそれぞれ閉塞感を抱えているという点では一致しているようでした。その閉塞感を打開するために古都は晃介を誘い、晃介もそれに飲まれているという印象を受けます。晃介の側はだいぶ状況がよくなりつつあるようですが、古都のほうは内心はあまり描かれないためまだよくわかりません。ただ晃介に何かを求めているというのは感じ取れるので古都のほうもまた癒やされているような気がします。
しかしこの二人、どう考えても良い結末を迎えないだろうことは想像に難しくないです。その過程で晃介と古都は何を失い得ていくのか。続きが気になって仕方がないです。いい結果はおそらく迎えられないけど二人の結末を見届けたい。そう思わされる作品でした。