このあいだでた九井諒子の「ダンジョン飯」を読んだ。九井諒子初の長編マンガ。初の長編マンガでかなりアクが強い感じがするのでとても楽しみにしてた。
簡単にあらすじを書くと、ドラゴンに食われた妹を助けるためにダンジョンに挑戦し、その過程でモンスターを食していくというお話。モンスターを食すというのが斬新で面白いと思った(そう思ったがMHなんかは食してたな)。
モンスターもそれぞれの生態を解説した上でどう調理すると美味いのかというのが書かれていて、とてもよく設定が練られているのが印象的。スライムの体の構造やバジリスクの生態。動く鎧がどういう生物なのかも書かれていて、なるほどこれは食えるななんて思わせてくれる。バジリスクに至っては結構美味しそうに思えてくる。現実世界では鳥と香草でうまく代用するしかないが。
モンスター食の解説をするドワーフのセンシがモンスター食にこだわりを持っており、ときおりエルフのマルセルが猛反発するのが面白かった。主人公のライオスもモンスター愛に溢れていて、これもまたマルセルとの微妙な温度差が笑いを誘ってくれる。もう一人の仲間のチルチャックもマルセルほどではないがいいツッコミ役で、マルセルとともに比較的常識人側にいる。
センシとライオスのモンスター食への常識をマルセルとチルチャックが突っ込む。だいたい1話あたりの構図はそんな感じになっている。
たまにでる戦闘シーンもおもしろく、バジリスクの倒し方がよかった。画力もある作家さんなので、戦闘シーンの書き込みや、ギャグパートの省略したへちょ絵も上手く書き分けられていて読んでいて飽きない。
今後どうモンスターを倒し、食していくのか楽しみ。