永田カビ作の「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読みました。タイトルに惹かれて読みましたが、想像以上に内容が強烈で読んで良かったなと。レズ風俗という言葉に惹かれて読んだ自分が恥ずかしくなる。
- 作者: 永田カビ
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: コミック
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精神的にかなり辛い状況が描かれる前半
気になるタイトルとは裏腹に、中身は相当ブラックで、作者の辛い境遇がこれでもかと書き連ねられていた。鬱・摂食障害・劣等感等様々な苦悩に苦しんでいた筆者の体験談が読んでいてかなり辛かった。筆者がある程度その頃を振り返ることが出来ている状態だからこそ描けているのだろうけど、よく描ける状態まで持って行くことが出来たなと読んでいて思った。
自分の状態に気づき欲求を解き放つ中盤
筆者自身が自分の状態を調べていくうちに、自身の欲求に気づいていき、もうしたいことをするんだという勢いでレズ風俗に行くのだが、そこに行き着くまでに自分で調べて気づいていくという過程がすごかった。この本の最初のほうでは、出口がわからない迷路に迷い込んでいるようで読んでいて辛かったのだが、自分で調べて自分自身について知っていける状態になっていきだんだんと霧が晴れていくのを読んでいて追体験することが出来た。
決定的な体験を得て自由になっていく後半
レズ風俗を体験して少し自由になった筆者はいろいろと後半で自分のことを振り返っている。今までの答え合わせではないけれど、「自分がこう思っていたのはこういうことだったんじゃないか」というのがどんどん出てきて、自由となっていくので読んでいて救われるような気分になった。自分の欲求を知って自分の描きたいものを見つけて、問題は依然として残っているものの最終的に良い結末を迎えていて良かった。何よりもそのことを自分で納得しているような描き方がしてあったのが良かった。
おわり
最初期待していた(読んだあとそんな期待をしたことを凄く恥じる)ものとは違ったものの、筆者のどん底からの復活を追体験できるような良い漫画だと思いました。きっとここに書かれていることは出せることで、それ以外はきっとかなり辛く問題はまだ残っているのだろうけど、こうやって漫画を出せてそれなりの反響を得ているので幸いだなと思いました。
どうでもいい話ですが、期待していたのとちょっと違うと描いたものの、レズ風俗のシーンは読み応えがありました。そういった意味では最初期待していたものは得られていたりします。最後にもう一度いった話も入っていて良かったです。
- 作者: 永田カビ
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