今月は読んだけど感想書いてないのが多かった。
円城塔の「リスを実装する」とか読んだんだけどね。
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1098ページ
ナイス数:24ナイス
カペー朝―フランス王朝史1 (講談社現代新書)の感想
フランスの成り立ちをフランク王国の分割から解説しているシリーズの1巻目。西フランクの有力豪族に過ぎなかったユーグ・カペーから、最後の直系の子孫であるシャルル四世までを1冊に収めているので、フランスの中世がどういう変遷をしているのかを知ることができて面白い。元が簒奪した王権だったことや、功績が子孫を残すことだけの王がいたりすること、同盟をしていたとはいえ諸侯が本当に邪魔だったことなど知れて面白かった。中世は国という概念がはっきりしていない時期だからいろいろ入り乱れていて面白い。次のヴァロワ朝も楽しみだ。
読了日:6月28日 著者:佐藤賢一
目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)の感想
目の見えない人は目ではなく他の感覚器官でモノを見ているというのがおもしろいと思った。世界のとらえ方の違いや、見えない人のスポーツなど知らないことが多く知れて勉強になった。特にすごくおもしろいと思ったのは、目の見えない人でも絵画の鑑賞が可能だと言うこと。目で見て鑑賞するのではなく、見ている人が発する情報で鑑賞するというのが今までにない視点でなるほどなと思った。
読了日:6月14日 著者:伊藤亜紗
ライトジーンの遺産 (ハヤカワ文庫JA)の感想
おもしろかった。人類の種としての寿命を物語る臓器崩壊現象や、人類が進化の過程で捨ててきた超能力をもつサイファという人種。臓器メーカーが人の生死を握り、社会から外れてしまった自由人という生き方。どれをとってもディストピアものだが、主人公である菊月虹は自由人としてひょうひょうと生きている。本人が人造人間であることや最強のサイファであることがその気楽さを作り出しているのかと思いきや、最終章ではそうでないということが描かれている。個人的にはヤーンの声という章がお気に入り。
読了日:6月14日 著者:神林長平
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