チラシ裏日記上等!!新館

Webアプリケーションエンジニアの雑記帳。映画とかアニメとかの記事も書きます。

2015年12月読書量まとめ

今更になって去年の12月の読書量をまとめる。12月はSFが多かった。

2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2102ページ
ナイス数:37ナイス

あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)感想
おもしろかった。科学が進歩しても人間は死というものから逃れられず、かつて多くの人が経験してきた死への恐怖は時代が変わっても同じもの。そんな死の淵に立ってしまった科学者サマンサの壮絶な半年間が描かれている。すごく読むのが大変で苦しい小説だったが、そこで出てくるサマンサの死生観や、小説を書くAI「wanna be」の成長。人間を記述できる言語とそれを用いた実験。どれもおもしろかった。しばらく立ってからまた再読したい小説。
読了日:12月31日 著者:長谷敏司
機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
SF小説家と思ったら泥臭い警察小説だった。凶悪化する犯罪に対抗するため、機甲兵装を導入した警察。さらに強力な機甲兵装を有した新組織は傭兵やテロリストを雇っていることから組織から疎まれる。警察官の組織内の軋轢や容赦のない破壊の描写、登場人物の過去のドラマなど読み応えのあるテーマがこれでもかと詰まっているのでとてもおもしろい。特に組織内の軋轢はかなりやきもきさせられる。ここでかかったストレスが後の破壊の描写を痛快にしているが、全てが終わったあと何とも苦い感覚が残るのが印象的。
読了日:12月26日 著者:月村了衛
沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)感想
自分たちよりも少し未来の世界が舞台のSF短編集。表題作の沈黙のフライバイはむしろここ数十年単位の未来の話に思えてひょっとしたらもうすぐくるかもしれないと勝手にワクワクしてしまった。
読了日:12月26日 著者:野尻抱介
フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)感想
「Live me Me.」が一番心に残った。事故で体の自由を失った主人公がはじめはヴァーチャルな体を手に入れ、次に物理的な体を手に入れ、最終的に本人の体から解き放たれる。自分という存在が計算結果だということに気づくあたりがおもしろかった。
読了日:12月26日 著者:小川一水
太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)感想
彗星から突如現れた塔、太陽に出現するリング状の物体。リングの調査から浮かび上がる異星人の可能性。異星人とのコンタクトの試み。そしてファーストコンタクト。比較的現実の延長線上にあるような地に足のついたSFで、異星人が現れたらこう対処していくのだろうということが丁寧に書かれていたのでおもしろかった。最後のほうを読んでいくと、異星人と出会ったとき、同じ価値観で対話が成立するとどうして今まで考えていんだろうかとちょっと驚く。
読了日:12月26日 著者:野尻抱介
老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))感想
表題作の老ヴォールの惑星が特におもしろかった。自分が想像もしなかった知的生命体の形が描かれており、なるほどこういう生命もありえるのかと感心した。知的生命体というと人間から遠くてもそれほど遠すぎない形をイメージするが、この話は全くそれとは違った形を見せてくれる。とてもおもしろかった。
読了日:12月26日 著者:小川一水

読書メーター