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チラシ裏日記上等!!新館

オタクWebエンジニアの雑記ブログです。本や漫画や映画の感想なんかを主に書いています。最近は勉強会の感想とかも書いています。

チャッピーを見てきた

第9地区」で有名な監督、ニール・ブロムカンプの最新作「チャッピー」を見てきた。

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 舞台は第9地区の時と同じくヨハネスブルグ。物語の始まりも第9地区と同じようにインタビューの映像からはじまる。架空のインタビューが入るとより現実感が増しておもしろい。架空のニュース番組も流れて映像にちらほらと警察のロボット「スカウト」が登場する。冒頭の10分でもう作品の世界観に引き込まれた。

冒頭でギャング団と警察の抗争があるのだが、そこで警察のスカウトの運用方法がとてもおもしろかった。

まずはスカウトをヘリコプターから降下させてポイントを確保する。その後警官が乗ったヘリコプターが降下して警官を下ろす。銃撃戦を進んでいくためにスカウトを前に出して盾にしながら前進。その間スカウトは銃弾をモノともせずギャングに発砲。ギャングが総崩れになったところを警官が突入。建物の中はスカウトを先に立たせて安全を確保。大体そんな感じだった。

警察にロボットが導入されてそれが実戦に参加したらどうするのがいいのかよく考えられていると思う。人間の安全を確保しつつ圧倒的な火力でギャングを掃討。力でギャングをねじ伏せる暴力性が何とも南アフリカという感じだった(偏見)。

序盤でかなり引き込まれてそのあとチャッピー登場までの課程が描かれるが、そこはエンジニア目線になるとすごく引き込まれる。徹夜でAIのプログラムを完成させ、それを試したいとCEOに直談判。受理されなかったので無理矢理廃棄予定のスカウトを用いて実験しようとするあたり、現状に満足せず挑戦したいというエンジニアのあるべき姿みたいなモノが見えて楽しかった。使っているPCもよく映画でありがちなWindowsを使っておらずLinuxライクなターミナルを使っていたので興奮した。

そのあと紆余曲折を得てチャッピーが誕生するが、そのあたりはロボットなのに人間を怖がったり、人の喜ぶことを進んでやろうとしたりとかなり表情豊かでおもしろかった。ギャングの動きを学んでギャングっぽくなっていくチャッピーは本人はまじめなのだろうがかなりおかしかった。ギャングっぽい動きをまねするあたりはかなりかわいらしかった。

あまり詳しく書くとネタバレになるのであまり詳しく書けないが、チャッピーはその後いろいろなことを学んで自分の命や意識のことや、必死で生きようとしたり、人の死を悲しんだり怒ったり許したりする。最終的にチャッピーが選んだ選択はかなりSF的で、確かにそれができるとすれば人間の肉体やチャッピーのチタン製の体なんてのは一時的なモノに過ぎないのだと言うことを思わせてくれる。最後の場面は攻殻機動隊を見慣れているといろいろ影響を受けているのがわかっておもしろい。

と、こんな感じで総じておもしろい映画だった。SF映画であり暴力映画であり哲学的な映画でもあった。一つの作品にこれでもかと要素を詰め込んでいて、それでいて破綻していないというのがとてもすごいと思わせてくれた。

ちょっと残念なのが公開前にも言われていたとおり、日本版は勝手にカットされて編集されていたところがあると言うこと。

編集された箇所はかなり露骨に暗転して映画のテンポを非常に悪くしていた。レーティングを下げて見れる年齢を広げたいという意図なのだと思うが、あまりいいものだとは言えない。レーティングを下げても多分低い年齢層は見ないと思うし、見る人はレートが高くてもうまいこと見るだろう。映画ファンにも配給会社にも特がないカットだと思った。

たしかに残虐なところはけっこうあったと思うが、そのえぐい結果だけ暗転させてもはたして意味があるのだろうか?そういった映画の残虐性は結果よりもその過程でえぐさを発揮すると思うのだが。

まぁ映画公開版ではああだったけど、セル版ではディレクターズカットということで黒く暗転された部分が戻ってくることを期待している。

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